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北朝鮮を軍事攻撃せよ」米国で再び浮上する強硬論

4/17(水) 6:15配信
JBpress
 (古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 「北朝鮮に非核化を実行させるためには、やはり軍事手段が必要だ」──こんな思い切った提案が、トランプ政権に近い米国議会関係者から発せられた。その手段としては、これまでの軍事の常識を越える電磁波攻撃が効果的なのだという。

 米国のトランプ政権が北朝鮮の非核化をどう実現させるかは全世界の関心事と言えよう。現在、トランプ政権は北朝鮮に対して、経済制裁を中心とした非軍事的な政策をとっている。当初ちらつかせていた軍事オプション(選択肢)は影をひそめていると言ってよい。

 だがそんな状況下で、米国議会の電磁波研究機関の専門家が改めて軍事オプションの行使を提案した。最初の軍事手段として、北朝鮮が軌道に乗せている人工衛星2基を破壊すべきだという。これまでの政策論ではみられなかった新奇な提案である。

 トランプ政権内外では、北朝鮮核兵器を全面破棄する軍事手段が選択肢の1つとしてまだ排除されていないようである。だからこそ、こうした提案が出てくるのだろう。

■ 第1段階は人工衛星への電磁波攻撃

 米国議会の諮問機関「議会電磁波委員会」顧問のピーター・ビンセント・プライ氏は3月末、首都ワシントン地区の日刊新聞「ワシントン・タイムズ」に「北朝鮮非核化のための軍事オプション(選択肢)」というタイトルの長文の論文を発表した。
 同論文は、北朝鮮が今も核兵器の温存を図っており、トランプ政権による現在の経済制裁継続という方法では非核化に着手しないだろう、と考察している。では米国はどうすればよいのか?  プライ氏は、北朝鮮の非核化の完全実現のために軍事手段を行使するべきだと提案する。

 プライ氏はCIA(中央情報局)や下院軍事委員会での勤務経験がある安全保障専門家である。専門分野としては、アジア安全保障全般に加えて、電磁波やレーザー、サイバーなどのハイテク兵器に詳しい。現在は、議会の安保政策諮問機関の「議会電磁波委員会」顧問という肩書で同委員会の総合調整役を務めている。政治的には共和党系で、トランプ政権にも近い距離にあるとされる。プライ氏の提言は当然トランプ政権にも届いているとみてよいだろう。

 プライ氏はこの論文で、北朝鮮に完全な非核化を実行させるための軍事手段として3段階の措置を提示していた。なかでも異色なのは第1の手段だ。それは、電磁波攻撃によって北朝鮮人工衛星2基の機能を破壊することである。

 現在、北朝鮮は地球観測目的用と称して人工衛星2基を打ち上げ、宇宙軌道を飛行させている。2012年12月に打ち上げた「光明星3号2号機」と、2016年2月に打ち上げた「光明星4号」という衛星がすでに軌道に乗ったことを米側は確認している。

 プライ氏は論文で、米国が電磁波攻撃によってこれらの人工衛星2基を無力化することを提案していた。

 同論文によると、北朝鮮の2基の衛星は核兵器と組み合わせることによって米国全土の電力送信を止めることが可能になる。そのため米国にとって衛星の無力化は、米国の安全を確保することにつながる。加えて、北朝鮮のみならず中国やロシア国に対しても米国の北朝鮮非核化への断固たる意思を誇示する効果もある。

衛星の機能を破壊されただけでは、北朝鮮側が米国や韓国に対して全面的な報復攻撃に出る可能性は低い。それでも、「北朝鮮の非核化のためには軍事手段も辞さない」という米国からの強力な意思表示になるという。

■ 空母投入で北朝鮮のミサイルを破壊

 プライ氏が提案する第2の軍事手段は、北朝鮮大陸間弾道ミサイル、中距離弾道ミサイル、核爆弾搭載可能の爆撃機、潜水艦、西海ミサイル発射場、寧辺核施設、ウラン濃縮秘密施設を米軍が通常弾頭ミサイルで破壊することである。

 この攻撃計画での標的は合計で約150に及ぶ。米軍は空母3隻を投入し、そこから艦載機が出撃したりミサイル、ロケットを発射するなど、すべて非核の通常兵器を用いて数時間の攻撃で目標を達することが可能である。北朝鮮からのミサイル類での反撃は、米軍の既存の防衛網で十分に防ぐことができる。この結果、米国本土やグアム島など米領への北朝鮮の核とミサイルの脅威はほぼ完全に除去できるという。

 第3の軍事手段は、プライ氏も「戦闘拡大の危険度が高い」と認める大規模な攻撃計画だ。北朝鮮の準中距離弾道ミサイルと短距離弾道ミサイルの合計1000基ほどを破壊するという案である。

 この作戦が予定どおりに実行されれば、韓国と日本への北朝鮮のミサイルや核の脅威は完全に除去される。その破壊作戦はかなりの日数を要し、北朝鮮が韓国に全面的な報復攻撃を仕掛けるリスクも高くなる。だが、その危険性についてプライ氏は、「攻撃が敏速で標的が少数であればあるほど北朝鮮の政権自体の破壊ではないことが分かり、全面反撃の可能性は低くなる」としていた。
■ 消え去っていない軍事オプション

 こうした大胆で危険な提案は一見、きわめて過激に映る。だがトランプ政権を支持する専門家たちの間からこうした提案が出てくるという事実にこそ、注目すべきだろう。

 電磁波攻撃で北朝鮮人工衛星2基を破壊して、米国の軍事手段履行の意思を北朝鮮側に伝えるという発想は、これまで公に語られたことはない。だが、実際に行動するかどうかは別にして、トランプ政権の内部でその種の発想が実際に可能性として存在するというわけだ。

 トランプ政権周辺では、これまでにも軍事手段の行使が提案されていた。2回目の米中首脳会談が不調に終わった直後の3月上旬、トランプ政権を堅固に支持する共和党保守派のリンゼイ・グラハム上院議員は、「米国政府は、北朝鮮に対する軍事力行使による非核化実現を真剣に考えるときがきた」と明言していた。

 また歴代共和党政権で東アジアのアジア安保問題を担当してきた専門家のパトリック・クローニン氏(現在はハドソン研究所上級研究員)も、「非外交的な強制的手段を考える時期がきた」として、北朝鮮に対する軍事手段行使の効用を検討することを改めて提唱した。

 こうした動きをみると、トランプ政権内外では軍事オプションの選択が決して否定されてはいないという構図が浮かんでくるのである。
古森 義久